あれもこれもが出来ない僕
こういうことがあった。
営業の仕事をある社長から任された。
営業の仕事は、非常に興味深く面白い。
経験を積む内に、課題が見えてくる。
「この提案は、言葉で伝えるよりも画像や動画で伝えたほうが良いな」
「これはお客様に専用のアンケートを用意しておいたほうが、使用した直後の感想が得られるな」
「この移動の仕方より、この駅のあとにここをレンタル自転車で回ったほうが良いな」
あらゆる発想が、私の中に生まれてくる。
そして、営業の課題は商品にも及ぶ。
「この商品は、もっとこうして作ったほうがいいな」
「この量の商品を作るなら、今からこの生産体制に切り替えたほうが良いな」
工場のことまで考えた。
あらゆることを行いたくなる。あれもこれも出来ると思い込む。
だけど、待てよ。以前にもこういうことは無かっただろうか。
あった。
塾で働いていた時、集客から指導に手を広げ、社内連絡方法の改善にも手を付けた。
結果、どれも出来なくなった。生徒にも迷惑を掛けた。
「管理が甘い」と上司に5回以上言われた。
そうだ。私はあれもこれもできる人じゃない。
そんな時間もない。
中央大学の法学部長も、「エッセンシャル思考」も、「7つの習慣」も言っているじゃないか。
社長から与えられた持ち場を100%全うし、そして120%の力を発揮すること。
これが、一番重要なんだと感じた。